1日本の6割が郊外
僕の感覚でいうと、日本の一割くらいが都市で、田舎が3割くらい。あとは郊外という感じがします。人口密度がどうとかではなくて、文化が郊外型というところが6割くらい。郊外型の文化なり日常なりというのは、今の日本で一番大きいものですよね。商店街じゃなくてイオンタウンが下支えしていたり、車はワゴンRであったり、聴くのはヒップホップだったり。
都心で生まれるものは都心で消費されて、昔はそれがだんだんと郊外に普及していくという感じだったけれど、もう違う。郊外の文化は、郊外で生まれて郊外で育っていくものだと思う。都心のクラブでかけるような最先端の音楽だって、郊外ではかける場所がない。郊外には郊外に似合う音楽があるわけで。洋服も食事もそうかもしれない。たとえば「ワインバーを飲み歩く」なんて生活のは都心じゃなきゃ無理だし。生活の質が違いますよね、全然。
銀座のユニクロと取手のユニクロで、品揃えが違うわけではない。昔は違ったわけです。都心の方が品揃えがよくて、郊外に行くほどダサくなっていった。でも今は、一緒ですから。Amazonで注文すれば同じ時間に届くでしょう、取手も千代田区も。
郊外はもう、都心に依存していないと思います。お父さんは都心に働きに来ているでしょうけど、都会が上にあって、すり鉢型にだんだん広がっていくというモデルはもう通用していない。名前は「郊外」ですけど、中心にぶら下がっているわけじゃないと思います。